eスポーツの産業化を目指すREJECTが描く未来とは。資金調達の裏側。

甲山 翔也(こうやま・しょうや)

株式会社REJECT 代表取締役。国内トップクラスの実力を持つeスポーツチーム「REJECT」オーナー。「REJECT」は、世界的に人気なシューティングゲームを中心に7タイトルにわたり部門を保有。特にモバイルシューティングゲームの領域において日本トップの実績を誇り、PUBG MOBILE部門では同タイトル最多となる6度の世界大会出場経験を誇る。

■大企業チームがリーグに続々参戦。eスポーツ市場の変化

ーー現在展開している事業内容を改めてご説明いただけますか?

eスポーツの中でも、特に競技シーンで活躍している選手をマネジメントしています。eスポーツブランドを経営しており、事業として一番大きいものがeスポーツチームの運営です。今後はEC事業や、ゲーム内のメタバース領域での商品作りに注力していきたいと考えています。

ーー4月には、シリーズAラウンドにおいて第三者割当増資による約3億6000万円の資金調達を発表しました。eスポーツ市場の成長について教えてください。

日本はエンタメに振り切ったファミリーゲームが多く、ゲーム大国でありながらeスポーツ大国ではありませんでした。競技化という部分では遅れてしまっていたのですが、その傾向が最近段々と変わりつつあります。

グローバルランキングでトップの売り上げを誇るような企業がeスポーツに参入しており、競技性のあるゲームタイトルがやっと日本でも流行り出しています。

海外では、ゲーム内でアーティストとコラボレーションをして新曲をリリースしたり商品を訴求したりしており、そのイベント中には数千万人が同時に接続することもあります。

そんな海外シーンのゲーム人口の盛り上がりが徐々に日本へも推移してきています。最初はゲーム実況で入ったものの、実際にやってみたら面白く「上手になりたい」という人がたくさん増えてきて、プロの選手たちの動画コンテンツがバズってきたわけです。

同時に、日本でeスポーツの大きなリーグが発足しました。その背景には、2019年9月頃に消費者庁から「eスポーツ選手に対する見識の違い」なるものが出されたことも影響しています。eスポーツ業界では、景品表示法や風営法などのネックになる要素があり、この発表以前は、高額賞金がなかなか出せないという状況にありました。

「eスポーツ選手職業と認める場合は賞金を出してもOKです」と発表がされたので、それ以降一気に賞金が高騰し、2021年には賞金総額3億円のリーグが国内で発足しました。

ーーリーグの規模も拡大しているわけですね。他にもeスポーツ市場における変化はありますか?

出資をしてくれる日本企業が少しずつ増えてきたことは変化だといえます。

そして、大企業が参入してきており、市場が盛り上がってきていることも変化のひとつです。「REJECT」が単独首位に立っているPUBG_MOBILEのリーグには、他に民放テレビ局のグループ会社や大手ゲーム会社など、名だたる企業のeスポーツチームが参加しています。

弊社のような独立した企業は少ないですが、大企業が子会社としてプロeスポーツチームを持ったり新規事業として取り組んだりというケースが増えていることから、選手の給与水準が上がってきています。プロeスポーツ選手が、ある程度安心して活動できる環境が整ってきていることも大きな変化です。

■EC事業と教育事業に注力していきたい

ーー変化しているeスポーツ市場の中で、REJECTはどのような未来を目指していますか?

当社のミッションは「人生を彩るeスポーツ体験を提供し、 世界に誇れる産業を創る」です。このミッションを軸に、投資していただいたという経緯があります。

設立の背景にも、未熟な産業であったeスポーツ業界のマイナスなイメージを全て払拭したいという気持ちがありました。その気持ちを軸に、eスポーツ産業化を目指しています。

僕が選手だった当時、eスポーツで食べていける選手はいませんでした。そして、代表が逃げて残されたところから会社をスタートしたこともあり、「選手の扱いがひどすぎる……」とある種被害者的な気持ちを抱えていました。そういうeスポーツ業界のマイナス面を払拭できるような活動をすることで、日常を彩るブランドにしていきたいなと思っています。

ーープロeスポーツ選手だった甲山さんが代表であるREJECTは、他の企業からすると異質な存在だと思うのですが、甲山さん自身はeスポーツ業界でどのような役割を担っていると考えていますか?

僕自身は、eスポーツ業界で起爆剤になる存在だと自負しています。現在22歳ですが、この年齢かつファイナンスをして「何をやってくるかわからない奴」がいることによって、eスポーツ業界全体がグッと上がっていくと思うんです。

そして、eスポーツ選手を「表に出る人たち」として作り上げることも僕の役割であると思い、選手教育に力を入れてきました。

以前は「ゲームさえ強ければ何を言ってもいい」という風潮が強く、暴言を吐く選手が多くいました。そういった選手たちに未来を語り、彼らの視座を上げ続け、「自分たちで業界を作っていくんだ」という思いを植え付ける作業に力を入れています。

メンタルトレーニングやトークレッスンを導入したり、調理師と契約して健康管理を行ったりすることで、「アスリートはかっこいいものであり、eスポーツ選手はそうあるべきだ」「強さは当然あるもので、その上でいかにスターであるべきか」という意識を選手につけてもらえるようにしています。

こういった思想を同じレベル感で伝えられるのは元選手の僕しかできないと思い、特に注力しています。

ーーなるほど。今回資金調達した約3億6000万円は、今後どこに投資していきますか?

EC事業を伸ばしていきたいと思ってます。アパレルとグッズに注力していきます。

当社が扱っているゲームタイトルの中で、アパレルを出していきたいと考えています。ゲームタイトルの競技シーンで1位を取り、1位のチームがアパレルやグッズをゲーム内で販売できると、シナジーがあり、かつ売り上げに繋がるのではないかと思っています。

あとは、教育事業の方にも参入していきたいです。

ーー教育事業ですか?

はい。eスポーツ業界で働く人を育てるお手伝いし、eスポーツ業界全体を“食べていける”環境にしていきたいと考えています。

eスポーツ選手は「中学生がなりたい職業ランキング2位」の職業なのですが、どういった経緯を経てプロになれるかはハッキリと決まっていません。

僕を含め今プロとして活躍している選手も、小さい頃からのゲーム好きが高じてスカウトを受け活動を始めているため、「なりたいけれど、どう目指せばいいかわからない」という方が多いわけです。

なので今後は、スクール経営など「ここを目指せばプロeスポーツ選手として活躍できる」という道筋を作っていきたいです。

■理念に共感してくれる“推進力”のある人を求めている

ーーどのような方にREJECTへ入社してもらいたいですか?

「推進力のある方」に来てもらいたいです。

eスポーツ業界はまだまだ市場が小さく、お金に変えられるプレイヤーが少ないのが現状です。そこをグッと進めてくれる方と一緒に働きたいと思っています。

eスポーツを扱う企業なので、「ゲーム好きではないとやっていけないのではないか」と不安になる方もいますが、そんなことはありません。

今や“ゲーマー”という言葉が死語になるくらい、ゲームが身近で「みんながやっているもの」に変化してきています。関わればみんなゲームのことを好きになってしまうものなので、eスポーツ業界外の方でも大歓迎です!

ーー推進力がある他に、入社する方に期待していることはありますか?

「細部にこだわる」「果敢に攻める」「困難を楽しむ」「多くを巻き込む」という4つの行動指針と理念に共感できるかは求めたいところです。

パートナー企業やスポンサー企業など、多くの人を巻き込んでいかないといけないビジネス形態なので、「多くを巻き込む」はそこに関わりますね。

そして、攻めの姿勢がなくなると撤退しなければいけなくなると思っています。とはいえ、ただ闇雲に攻めるのではなく細部までこだわって攻めていきたい。そしてその困難を楽しんでほしい。そういった会社として大切にしたい部分を反映した指針になっています。

ーー本日は、ありがとうございました!

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インタビュアー:株式会社REJECT 採用広報担当

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